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大祚榮(テジョヨン)87・88話 [大祚榮(テジョヨン)]

87話
ジョヨンの協力で唐を討伐し営州を手中に収めた可汗はついに建国を宣布し、大可汗となりました。

チョムネの首を取ったということは、唐に宣戦布告したも同じだと、ソ・リンギがイ・ヘゴに言う。

ソ・リンギが禍根になると判断したシン・ホンはソ・リンギを抹殺しようとするが、見破られてチョムネの首は唐の則天皇帝に渡った。則天皇帝は隠遁していたソ・リンギを探し出し、契丹討伐を命じる。

大可汗は、ジョヨンと共に唐を倒そうと考えるのですが、ジョヨンは「先に流民を渡してくれたら協力しましょう」と返答。

で、コルサビウ、もしかしてクムナンに惚れてるみたいっすねえ。どうなの?クムナンはミモサを尊敬し愛してるだろうけど。



88話 高句麗流民村では移住の準備が始まる。。大可汗=契丹国皇帝イ・ジンチュンに高句麗流民を返す代わりに、唐との戦いに加勢を求められたテ・ジョヨン。テ・ジョヨンは皇帝の期待を絶対裏切らないと答える。

そこへ伝令が、イ・ヘゴが率いる契丹軍が高句麗流民村に到着したことを告げた。表ではイ・ヘゴたちとコルサビウ、フクスドルたちが一触即発の状態だった。そこへ皇帝イ・ジンチュンが現れ、事なきをえた。

ソリンギは「誰が強いのか決着をつける時だ!」とばかりに契丹討伐を引き受けることを決意。

迎え撃つイヘゴたちですが、ヘゴに指揮権を奪われた上に、城門の警備役を任されて、手柄を立てることを封じられます。
ミモサが「イ・ヘゴの言うとおりに兵士を解散し、契丹軍の下に入りましょう」と進言。ジョヨンは、配下の武将たちに「三足烏の旗を持って行って、戦場に立てろ。武功をあげることが大事だ」と命じます。

しかしながら、コムはジョヨンの活躍を見てしまったから、父イヘゴがジョヨンを疎んじるのが理解できない。今は唐と戦うために、ジョヨンの力が必要だという祖父の意見に近いみたいね。
そんなコムに、シンホンが「ジョヨンを監視せよ」って前線のジョヨンの所に送ってしまったよ。アチャー。ヘゴとチョリンは「コムをジョヨンに近づけてはダメ!!」と焦りまくり。シンホンにも事実を言ってないんだね。

で、ジョヨンのもう一人の息子。スギョン姫との間にできたタン。流民を守るのが仕事だとスギョンに諭されたのに、戦場に立ちたくて勝手に出奔。シュンサンは「ジョヨンもそのようなことをしたことがある」とか笑ってるけど、大丈夫か??

コルサビウ、戦場に向かう準備で「女を忘れるため」に顔を汚すクムランに見とれちゃったりして、すっかり恋愛モードっすね。なんかエロイ。

かけがえのない我が子120-123話 [かけがえのない我が子]

120話
ジングクとヨンシルは和解したけど、ヒスの拗ねた気持ちはそのままです。ジングクはヨンランに相談。「借金がキッカケで結婚したから、ヒスは負い目がある。あなたたちの家庭の問題を解決することで借金は清算したのに、今までと同じ態度では負い目から逃れられない。今度はあなたがヒスの味方になって助けてあげないと」と言われる。

ヨンエに言われて、ジウンと外出したジョンヒが戻ってこない。ヨンランが「ジウンがいない」と大騒ぎするし、何も聞かされてなかったウンスも不安になる。しかし、ヨンエは「あなたはジウンを自分の思うようにしようとするけど、私がウンスにそうするのは駄目なの??」と開き直る。だってウンスは大人ジャン!!だけど、「大人になっても子供は子供!」なヨンエ。


121話
ジウンが帰るまでと家から動かないヨンラン。そこに、ジョンヒからヨンランにコッソリ電話が。「ジウンが会いたがってる」という。ヨンエに逆らって嫌われないように、こっそり連絡してきたんだね。「初めが大事。喧嘩も仲良くなってからなら修復しやすい」と大人な考え方。
ジョンヒは、失語症になった経緯やらもヨンランに正直に話した。ジウン、ジョンヒ、ヨンランで遊園地にいくんだけど、ジウンがジョンヒを信頼してるってのが伝わってくる。それでも、「あなたはジウンに執着してる。」と避難するヨンラン。

ウンスも「俺はヨンランが嫌いだけど敵じゃない」とヨンエと喧嘩。さらに、ジョンヒに対しても不信感を持つ。

ヒスは、ジングクに話を聞いてもらって、愛してるって言ってもらって、少しは気が晴れたかな?


122話
私を愛してる?なヒスに「確認したいのは君の気持ちが揺れているからだ」とジングク。「そうかも。愛したことを後悔してるのかも。奴隷のときは何も考えないでよかった。私たちの人生をやり直したい。分家しよう。二人の時間が欲しい」なヒス。「お前のためなら何でもやるけどそれだけは駄目。父に借りがあるから返したい」というジングクに、「分かってた。本音を話せというから話しただけ。」なヒス。
前はヨンシルと仲良かったのに、どうして急に対立してるのか?疑問なジングク。

なんだかんだと、大歓迎で迎えられたジヘとジェミンの養子。

正直にヨンランを読んだことをヨンエに話したジョンヒ。ウンスは「母はヨンランを困らせたかっただけだから、これからは母に巻き込まれないで。結論を出すまで待って欲しい」というけど、ジョンヒも「じれったくなってきた。クリスマスイヴまでと期限を設けよう。それまでに、どちらを選ぶか決めて。伸ばしているだけではなくて、あなたは揺れてる。」と言い渡す。

「ヨンエとヨンランが憎みあってるの知ってるよ」なジウンに、ヨンランも迷う。ジウンは両親とくらしたいけど、喧嘩する両親よりは仲のよいジョンヒとウンスが良いんだね。

ウンスも結論を出そうとヨンランを呼び出して「イブまでに決めろという。その前に帰れ。」と言う。ヨンランは「私が粘れば、彼女は去るってことね」だと。「お前と夫婦は二度とゴメンだ」なウンス。うーん・・。「離婚した夫婦」の形を模索できてないからこじれてるのか?

ヨンエは夫にプレゼントされて「ウンスばかり気にかけるな。ほったらかしの俺は寂しいぞ」と言われてご機嫌に。



123話ヒス、どうもラブラブのドクペとヨンシルを見てるから、クールなジングクにイライラするところがあるのかもねえ。

父に「母さんを理解してやれ。でも、母さんの言いなりになる必要はない」と言われたウンス。怒ってしまったことを反省。で、父と一緒にキムチ漬けをやってあげることに。
ジョンヒが言うように、可愛く甘えてあげれば基本的にお節介タイプだから、優しくしてくれるのがヨンエだよね。彼女が一番あしらいが上手い。

ジヘは赤ちゃん連れて実家に。こっちでも大歓迎される。ハルモニがまた勘違いしちゃって・・・。「この子はミンソプ」なんて言い出す。

拝啓、ご両親様 22話 [拝啓、ご両親様]

離婚が本格化したソンシル。稼がないとならないことになって、消費者の意見を商品開発に生かすという仕事を、友人の医者に紹介してもらいたいと相談。
スアが「なんで引っ越さなきゃならないの?パパが1人でここに住むの?パパは私を見捨てるの??」と反発。恩着せがましいチャンスに「ジュンは引越しできないよ」なスア。「ジュンなんか知るか」なチャンス。そのタイミングで「バカヤロウ」と叫びだすジュン。チャンスの悪い言葉を繰り返しちゃうんだね~。

ま「言い過ぎた」と思ったのか、子供に嫌われたくないよ~。もっとお金を払おうよ」と母に言うチャンス。でも、聞き入れられない。

ソンシルに電話したソンミが、「引っ越すみたい」と父に相談。チャンスを嫌いながらも、離婚はやっぱりショックな両親。アリにも事情を話して「ソンシルの決定を尊重して、笑顔で接しよう」と家族と話し合う。

アリちゃんが実家から山ほど色々持たされた。「ありがたく頂くけど、次からは辞めてね。うちが食べさせてないみたい」というオクファンさん。「気にしすぎ」と反論するアリ。アボジが「そういう状況でオクファンの顔を想像してみて、笑顔だったらOK。怒ってたら駄目。量が1/3なら笑顔絵でもらえた」と仲裁した。でも、「疲れる性格なんて姑に言うか?」なオクファンさんに「じゃあ、疲れたらどういえば?」なアリ。面白いけど、大変だなあ。

ジョンフン君の友人迷ってるなあ。店の方は少しは繁盛しだした。ジョンフン君は友人に「ミヨンを放っておけない」と話したのに「今更」ってスルーされちゃった。

ミヨンは母に「大事に育てた子なのに、あんな奴はだめ。見合いしようよ」と言われますが、聞いてるだけですね。

任侠ヘルパー 5話 [任侠ヘルパー]

このドラマは、家族をテーマにしたドラマなので、彦一と両親の問題はとても大きいのですが、割と早い段階で「実母との問題」を持ってきました。それは、「血のつながらない家族」というヤクザさんを書くために、「血のつながった家族」を先に書いておくべきだということだと思われます。ちなみに、「血のつながらない家族」は別に任侠な世界だけでなく、「夫婦」という形で世の中にあふれてます。つまり、彦一にやたら恋愛フラグが立ちまくってるのも、彦一が結婚という形での家族形成を考えるための下地作りだと思われます。


冒頭に、病気の症状が現れる羽鳥+しがみつかれて刺青を見られるという失態を犯す彦一です。

見られたらヤバいだろ」と言われて、「俺がけじめつけりゃいいことだ」な彦一。この、「他人にゃ迷惑かけねーぜ」という彦一らしい強がりが、この回全体を包んでいます。とことんハードボイルドな男・彦一。(ここで、うっかり押し倒した形になってドキドキ!+晴菜に見られちゃったなラブコメ状況が発生するのですが、誰よりも男前なリコ兄貴は、「別に」とクールに押しとおします。)

タイヨウでは、地域との交流会。祭り大好き!テキヤ稼業はお手の物!あ、リコ様のセーラー服はぜひ見たいっす!!彦一は、相変わらずサボることしか考えておらず、だりーなーって感じです。

右手にやけど跡がくっきりの女性が、介護疲れで自殺未遂。介護する人がいなくなったために、一時的な空きの部屋にやってくる小澤義男さんという男性。妻さくらに頼りっきりで、なんでも「さくらを呼べ」とばかりいう。それに、来月には施設を出てもらう必要があって、さくらが入院してる病院へ。
そこで、さくらを見て、手のやけど跡を見た彦一は固まります。(って、さくらはどうしても寅さんにでている倍賞さんの姉・千恵子さんをおもいだすじゃないか!寅さんも堅気のひとじゃないし)この時の、草薙君の演技は、ほんと最小限の顔の筋肉の動きで全てを表してる感じ。
さくらは「もう無理です」という。似合わない明るさで励ますリコだが、「その女には無理だ。他人の世話なんて」と言い出す彦一。「分からねえか。そりゃ分んねえよな。28年もたてば」と睨みつける。泣いてるような、怒っているような目つきが印象的。青いフィルターがかけられているので、このシーンの草薙君の黒目が青っぽいんですが、それが妙に目に焼きついた。
引き留めるリコだけど、くそったれ・・・と逃げ出す彦一。

和泉ゼロ号が皆に事情報告。彦一ラブな晴菜ちゃんは、心配して探しに行きますが、またまた彦一を見守るリコの姿が。「一目でわかっちまった」な彦一。「迎えに来るからね。待っててね」と言って、7歳の彦一を置いていった。アル中の父親は死んで、親戚たらいまわしという典型パターン。
「次はじいさんと無理心中かもな」という彦一。心配してるくせに、それを「どうせ捨てる女」としか言えないのがなあ。晴菜は「せっかく再会できたのに。親子なのに」だけど、それなりに修羅場をくくってるリコは「あんたみたいな奴には分かんねえよ」と止めます。ま、晴菜ちゃんの「あまりにも良い子」な所には、彼女にもそれなりに何か複雑な家庭環境がある予感もしますが・・・。

あくまでもサボりたい彦一ですが、タイヨウにいれば義男の様子は耳に入る。周りに誰もいないことを確認して、「あんた。嫁さんに何したか分かってんのかよ。世話するのが嫌になって死のうとしたんだ」と語りかける。でも、義男は「あいつは俺を置いて死んだりはしない」と強い信頼を見せる義男。何つれそってる?に30年と答える義男。義男さんは、28年を「約30年」のつもりでいったのかもしれない。でも、彦一には「俺を捨てる前から、この男と付き合ってた」ということを、今になって知るわけです。それを、理解していくときの表情が凄くいい。
彦一は「自分が何もできないから、母を助けてやれないから捨てられた」という思いがあるから、「何もできなくて子供のようになったのに、捨てられないと信じ切っている義男」と、幼少期の自分を重ねるわけです。
そこに、さくらが・・・・。「あなた。ごめんなさいね。遅くなって」という義男に語りかける言葉は、彦一が求め続けた言葉。

さくらは、献身的に義男に仕える。「主人の世話は私しかできない」というさくら。それを見せられる彦一は、ひたすらに荒れまくり。
そんな所に「この間は迷惑かけたわね」な羽鳥が。何も言わない羽鳥に「見たのに、何で何も言わない??」な彦一。そう、実は「連帯責任」ということで、組という「疑似家族」でも彦一はお荷物になり、家族から捨てられかねない状況にいる。だからこそ、彦一は羽鳥に激しく怒りをぶつけます。
だけど、涼太がいる。「これじゃ、アル中の暴力オヤジといっしょじゃねーか」とでも思ったか、思いとどまる彦一。

荒れ気味の彦一をこっそりみてるさくらさん。彦一が「如何にサボるか」を考えてばかりいるのは通常モードなんですけど、さくらさんは「私のせいか?」と思っちゃうよねえ。

仲間と食事してる時、「かたくなに一人で世話をして、今に共倒れになりますよ」なんていう六車インテり君。リコも「さくらさんは、あんたに会いたくて話したくて、ここにきたんじゃ?」と声をかける。

もう一人倒れた女性・羽鳥。さくらさんと同じく、「守ってやるべき人が自分しかいないのに、倒れてしまう」という状況に。それでも、仕事を優先する彼女に、秘書は「涼太のことを考えて」と説得。涼太が、すごーく心配してる。
で、彦一に相談しようとするけど、今「疑似家族」を受け入れる余裕のない彦一は「兄貴」という呼びかけにもイライラしちゃう。「親なんか信用するな。人間は一人で生きて行くしかないんだ。信じられるのは自分だけだ」と冷たい。付きまとうなといいつつも、なんだかんだ話しを聞く彦一。
でも「病気の母」は今の彦一にとっては、NGワードなのよねえ~。

皆で交流会の歌の練習。そこにさくらがやってきて、彦一は逃げようとする。それを晴菜がかなり強引に引き止めた。切れてしまった彦一は「俺と話したいのかよ。何話すってんだよ。イイ人ぶってんじゃねーよ。ざまあねえな。結局、てめえはこの男からも逃げたんじゃねーか。今更、何やったって遅せええんだよ。俺を捨てて、どんなに楽しい人生を送ってきたか、聞かせろよ」とぶち切れ。止める皆さんですが、彦一強いからなあ。
思わず平手打ちしたさくら。でも、そのあと頬をなでようとしたのに、彦一は逃げてしまう。彦一の表情が、マジで汚くて恨みに捕らわれてて怖いっつーの。そんな彦一に、必死についていく涼太。カワいいなあ。
たそがれる彦一を見かけて声をかける羽鳥。顔を見られたくない彦一に「遅れてきた反抗期ってこと?今度はあなたが捨てるの?断ち切ることなんか出来ないの。私も親を捨てた。でも、子供に嫌われることがどんなに悲しいか分かる。どんなにこじれても、親子は親子だ」と。羽鳥は、やっぱり背負ってるものが大きいんですよね。

結局さくらが過労で倒れる。「たすけてくれ」という義男さんに、しかたなく背負って病院に連れて行く彦一。「大丈夫だから」というさくらが切ないねえ。さくらは「謝りたかった。」と体調を崩したり色々あって、迎えに行けなかった事情をかたる。それはやっぱり凄く身勝手なもので、「フザケンナ」という気持ちになるけど、「夫の言いなりかよ。アレじゃオヤジの方がマシだろ」と苦労してる母親を心配する気持ちになってしまう。彦一は、涼太が羽鳥を心配するように、母を心配してしまう。
「あなたに会えてよかった。死んで逃げようと思ったけど、あなたに会ってまた生きようと思った。ありがとう」さくらからでたのは、謝罪ではなく感謝の気持ちでした。

彦一にトイレ介助を頼む義男さん。抱きしめられた状態で「立派に育たれて何よりです。お母さんを奪ったこと。申し訳ないと思っております。これからは、さくらを・・・」と、さくらさんを彦一に返そうとします。この時の彦一の表情は、とても普通の青年っぽくて、ただの息子でしかない。
でも、彦一はそこから立ち去って、ドア越しに「ありがとうございます。おふくろを支えてくれて。これからもよろしくお願いします」と感謝の言葉を。

彦一は「立派に」は育っていない。だから、さくらに自分の姿を見せられない。さくらが逃げ出したアル中のオヤジ以上にダメな男なのかもしれない自分を、彦一は自覚している。そして、母の幸せを願って、母の手を離す。
「捨てられたのではない。自分から離れたのだ」という風に、自分と母の間にある28年という空白を受け入れる。彦一を「立派な大人」として扱った義男に対して、彦一も一人の大人の男として、「母親を幸せにしてやってくれ」と託す。
彦一は、「目の前にいて時間を共にするのが家族であり身内である」というヤクザ的疑似家族の感覚のなかで、ずっと生きてきた。だから、彼は「母と時間と共にしたのは自分ではなく義男だ」という考え方をする。とても彦一らしい対応だと思う。

さくらさんたちは、二人で入居できるホーム探して、そこで世話になることに。やっぱり、さくらに甘え切りの義男さん。見送りには行けない彦一だけど、見送った晴菜に「悪いな」という。晴菜の嬉しそうな顔が・・・。
「あの火傷、俺を庇ってできたものだ」とぽつりと言う彦一。義男を守るように、自分を守ってくれた母。BGMは「旅たちの時」。彦一が大人になる。母の名前「さくら」と背中に背負ったまま。「一人で立つ」大人になろうとする。

あのお母さんは物凄く勝手だ。迎えに来なかったという現実の前では、何を言ってもむなしい。長い空白はどうやっても埋められない。彦一は大人になってしまって、もう誰かに無条件に甘えるような時ではなくなってしまった。失われた時間はどうやっても戻らない。28年を共にした義男さんが、さくらさんに甘えられるのと対照的に、彦一はさくらに甘えられない。たった一度見せた怒り。それだけが彦一の「甘え」だ。それを殴られて正されて、短い彦一の青少年な反抗期は終わる。

でも、「得られなかった架空の時間」よりも、現実にあった子供のころの良い記憶が親子の関係を繋いでいる。夢ではなく現実を見れば、そこには確かに自分を守ろうとした母がいる。彦一は、母親を許したというよりも、自分が母を心配する気持ち、そして自分を無条件に庇って火傷した母の気持ちを大事にした。「無条件の愛」を差し出してくれる母を求めた彦一は、さくらに義男を愛し抜いてもらうことで、「愛の永遠性」を信じたいと願う。

母は、彦一の本当の姿を知らない。彦一もまた、自分の本当の姿を見せずに、母の夢でありつづけることを選ぶ。彦一は「母の夢である自分」と「現実の自分」とどうやって折り合いをつけるかが、今後の課題になっていくんでしょうね。
一話冒頭から「理想の任侠もの」と現実にまみれたヤクザを据えているわけですが、ここにまた理想と現実の対立を追加。なかなかシツコイというか、一つのテーマをいろんな角度から重ねて行くことで奥行きをつくるのが、この脚本はとてもうまい。

今回は、草薙君の演技が冴えまくっていて、かなり急な展開も力技でねじ伏せた感じ。
エンディングが「理想の任侠世界の彦一」シーンを再構成して作られました。コレを見ていると、草薙さんのヤクザ演技が、「いかにもヤクザ」ではないのは、この理想パート=如何にもヤクザ、現実=小物なヤクザとして段階をつけているからなんだなというのが分かります。

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