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Tommorow~陽はまたのぼる 2話 [日本ドラマ未分類]

いやあ、ベタな医療ものですね~。安心して見られるけど。

一気に、診療科の閉鎖を決める遠藤先生に反発する愛子が、目をそらそうとする森山に「待て・・・」はチト面白かったです。愛子の「資格がないということは、やりたいと思っているから出てくる言葉だ」というのは、結構いいところを突いてますね。
妹に脳内血管の奇形が・・・。オペといわれて、医者がバイト君だし、不安でパニックの愛子。脳外科の遠藤先生に相談することに・・・。私の知ってるセレブ専用病院なら、優秀な医者がそろってるわよ?とか、ベタ~なことを言う遠藤先生。とにかく色々と調べてみようとする愛子。
ここで手術はできないか?専門病院にするまえにスタッフを集める努力を」という森山。「一度逃げた医師はまた逃げる。絶対に認めない」という遠藤先生。
森山は、病状を聞かれて妹の七海に病名を告げます。泣きさけぶ七海を助けるために、「医療を金で買う」決断をした愛子。しかし、入院前に七海は倒れ、救急搬送。医者もいない!!他に回すというが、やってきた森山が「余所に回す時間はない」と判断して診断。出張中の遠藤先生に戻ってこいと言うが、彼女は「間に合わない。余所に回して」という。森山が「可能性にかけて、ここで手術すべき。患者は諦めてない。必ず助けると言ったはず。帰ってくるまで、繋いでおくから」と説得。
遠藤先生は、別に患者を思ってない人じゃないので、帰ってきます。タクシーで戻りながら、森山に電話で細かく手術方法の指示。手術は見事に成功。
「医療は平等ではないが、人の命の重さは平等だ」というのは、一人一人に愛する人がいて、夢があるっていうのをよくあらわしてると思います。「医者として、再建を手伝いたい」と決意した森山。しかし、8年前の医療ミス事件が・・・。
あと、遠藤先生は、植物状態の家族を抱えているみたいですね。
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乾パン先生とこんぺいとう 13話 [乾パン先生と金平糖]

ここまで見たから最後まで頑張りますって感じです~。余所のレビューサイト見てると結構評判いいんですよね。それもティンが!!うーむ、やっぱり、ティンに惚れられないと辛いよね。脚本は完全に無理してて、無理やりに恋愛イベント立てまくってるけど、そこが見てて詰まんない。


ジュンマに介抱されてるのを見たボリは、ちとショック受けて帰ってきた。家の前に誰かいるな~と思ったら、完全防寒+マスクのティン。泥棒かと思って殴りつけちゃった。電話にでないから心配になってとかいって、ウゼー。
で、一人で寝てるの寂しいからって、「泊めて」って・・・。ボリも断って、ヒョヌに来てもらえばいいじゃん。寝てるボリにでこチューするとかも、ティンが凄く嫌に見える!!
ティン、一応は「あきらめなきゃ」と思ってるのか。片思いの辛さも分かったし、ジュンマとデートしようと思います。でも、なかなか忘れられないのね。で、「僕の好きな人が、他の人を愛さないようにしてくれ。一つくらい叶えて」と教会にお願い。はああ??だよね。あんた、父親の愛情も貰ったし、今まで「神は願いを叶えてきた」じゃんかあ。

ヒョヌは「学校のことがボリとの結婚を反対する原因なら、僕が運営する」と言い出した。でも、あんたは美術しかできないって、アッサリ拒否。ちゃんと留学して勉強するって言ってるのにダメ!!って、ボリの悪口いいまくり。
ヒョヌが電話してきて、「ボリや~」って何度も呼んで「サランヘ」っていうの良かったよね。愛が詰まってるなあって感じ。

ボリは、学校で草むしりしたり、机を塗り直したりして、自分でも出来ることってのを考えてる。ヨンソンの出してきた教師の資格チェックには何一つ合格できないけどね。
ヒョヌは、携帯買わないと不便だなっていうだけだけど、ティンは自分のバイクを打ってペア携帯をプレゼント。結婚祝いといいつつ「愛してます」ってメッセージとか、ホント、こいつは言い訳しながら迫りまくり。好きになれん!男らしくない!

ウンソンは成績別クラス分けを実施。さらに、ボリに「私の方が何でも優れてる。それに、一緒にフランスで暮らしてた」って言ってくる。「どうして、そんなに未練がましいか?」って聞くボリに、「10年ずっと彼を見てきた。彼のために夢を諦めて経営を学んだのに・・・」って。さらに、ヒョヌには「学校を私のものにする」って宣言。
身を引かないとって思っちゃうボリ。ウンソンが言ったことを知ったヒョヌは、「黙ってないで言えよ!作戦に乗るな。不安になるな」とボリに言うけど、ボリは「愛される自身がない」とか・・・。ヒョヌはガシっと抱きしめてくれたよ。
次の日、アトリエに行って、自分がどんなにボリを大事にしてきたかって、撮ってた写真を見せてくれます。(それを見てるティンはしょぼーん。あきらめな!!)スケッチも一杯ある。ティンが「あいつは好きな人しか書かない」とか言ってたのが、ここでヒョヌ有利な結果に。さらに、二人で一緒に「結婚」の絵を描いたりして、楽しそう。

ウンソンの差し金か、審査を受けてウンソン財団に引き渡せって連絡がヒョヌ姉に。流石に、怒ったのか、美術室まで押しかけてきて、ヒョヌ&ボリに「今すぐウンソンと結婚しろ。好きなのと結婚は違う。学校を背負うのが、あなたの運命」とか言い出す。ヒョヌは姉を怒って庇ってくれるけど・・・。ボリはショックで、ヒョヌの手を振り切っちゃう。
寂しいからって、家のちかくをジョギングしてたティンを家に入れて食べさせて、泊まって行けってどうなんよ?

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飛天舞 2話 [飛天舞]

韓ドラらしからぬ展開の遅さ・・・。っていうかカメラに動きがないのかな~。ホントだらけたシーンが多い。ながら見してると、視線を元に戻すの忘れちゃう。


ソルリの店を訪ねて、優しくされて照れまくりのジナ。群守の手下に連れて行かれそうなソルリを救ってしまったジナ。あれほど、騒ぎを起こすな争うなといわれてたのに・・・。
ソルリは「運命は自分が願う方に流れていくもの。私が気持を強く持っていれば大丈夫」と語るが、ジナは心配。やはり、ソルリは再び郡守のもとに攫われる。

その夜、郡守の屋敷ではジュングァンをもてなすための宴会が開かれていた。嫌がるソルリは舞妓としてそこに登場させられるが、「踊れない」と主張するソルリ。
怒り狂うジュングンだが、ジナが再び現れて助け出そうとする。ソルリに一目惚れをしたジュングァンは、ジナに対して「手合せ」を要求する。ジナが勝利!!ジュングァンはソルリの借金の肩代わりして、二人を解放。
ジナは「おじさん以外に初めて名前を呼ばれた」と言い、ソルリは身の上話を。すっかり心を通じ合った二人。ソルリは、ジナを占いの「貴人」だと確信してますね。
ジナは叔父さんにひたすら謝ってる。おじさんだけが彼の頼りって感じがするけど、恋する男はソルリも無視できないよね~。

ジュングァンとジナは、友として杯を交わし、足繁くお互いを訪問するようになる。また、一方、ジナとジュングァンの手合せを見ていたファンボは、ジナの剣法が「飛天神技」と気づき、手下の女忍者にジナの居所を探るように命ずる。
これを聞いちゃったジュングン。ソルリが諦められないのか~。酔わされたジナはジュングンを連れてオジサンの家に行ってしまう・・・。家知られたら大変ジャン!でも、ファンボにしっかり「手だしするな」って釘刺してくれた。良かった。
ジュングンは、家の周りで「また会えないかな」と思ってるソルリを連れてジナの家に。3人で幸せな時を過ごす。
しかし、ヤライという男をつれて、ソルリ父が帰ってきた?
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あなたは星 19・20話 [あなたは星]

ファヨン、睡眠薬で自殺未遂。ファヨンの気持を知ってたらと自分を責めるインギョンに、ジョンウは「僕も胸が痛いがファヨンが自分でおこしたことだ。きみのせいではない。」と説得です。
しかし、ファヨンの見舞いに行けば、「父さんも先生も、あなたが奪った」といわれてしまう。インギョンは、母親に「とうさんのどこが好き?」と尋ねます。「殴らないし、あなたも大事にしてくれる・・・」って切ない理由だなあ。
学校を訪ねてきたジョンウの両親。その姿を見かけたファヨンは、ジョンウがファシン製菓ののミン社長の息子だと気が付きます。
一方、ジョンウは「この学校の生徒なんだ。来年、結婚して、一緒に留学したい」と両親に報告。インギョンを呼び出します。しかし、母親は激怒。やってきたインギョンは、その様子を立ち聞きしてしまいます。
落ち込むインギョンは、町でミンギと再会して、おしゃべり。法学科に入ったというミンギは、本当は哲学をやりたいけど、両親の期待にこたえないとダメなのね。
ジョンウは、酒に酔って帰宅。しかし、家にはファヨンが訪ねてきてます。送ってきた同僚の先生が、「もしかして何かある?」と思っちゃうのか。部屋にも上がって、下宿のおばさんにも「私が世話する」とか言うファヨン。

ファヨン問題で仲の良いクムプンと夫を見て怒ったエシム。テレビを勝手に買っちゃった。
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BAD LOVE~愛に溺れて 7・8話 [BAD LOVE]

7話 スファンとインジョンは緊張~。一応、知らん顔してるけど、スファンは挨拶だけして急用がって逃げようとするが止められる。ジェヨンが遅れてるからイイものの、ヤバいって。さっさと食べて「行きます」と玄関先で妻を待ち伏せ。帰ってきた所を「急用だ」って連れ出した。うわあ・・・。ギリギリ。
ヨンギは「会社に入れ」と父にいわれるが、「俺は芸術家だから。インジョンと幸せに暮らすよ」とか言って逃げる。
翌日、会いにきたスファン・・・。「別れないとね・・・。別れるけど、愛してるから時間が欲しい」というインジョン。ヨンギは元気がないインジョンのために、クリスマスの用意して待っている。ライトアップして、ディナー用意して、インジョンの絵を描いて・・・。(正直、このあたりは見ててダルイ・・・。サンウファンには嬉しいのかもしれないが・・・)「私が急にいなくなっても探さないで」というインジョンに、「死んだと思って俺も死ぬぞ」なヨンギ。
ヨンギは、インジョン父の治療費も出して、個室に移して、3人で行こうって海に連れてってくれて。父親も気に入ったみたい・・・。でも、別れないとなあ。
再びやってきたスファンに、やっぱり別れたくないというインジョン。「愛を口実に隠れて会っていただけだ。ヨンギとは愛だ。私をだましたりしない。私の傷まで愛してくれる。諦められない」というインジョンに、「俺が諦めさせてやる」というスファン。嫉妬もあり、これは無理だという判断もあり・・・。っていうか、前も「別れなきゃと思うけど、苦しむ方がいい」とか言って、不倫に突き進んだよなあ・・・。気持は分からなくないけど、諦めた方が幸せな気が・・・。
泣き叫ぶ彼女を抱きしめるスファン。そこに、忘れ物をもってきたヨンギが。
会長は、ハン社長をヨンギのサポートに会社に引き込んだ。ヨンギの気持が固まる時期までは待ちの姿勢。イラつくスファンだが、ヨンギの亡き恋人ジェヨンにそっくりなドリーム施行会社のイ・シニョン社長まで現れて!!それも、シニョンは手首に自殺の傷跡が・・・。

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英雄時代 39・40話 [英雄時代]

この回からオッサン編。クグはともかく、テサンは一気に20年は年取りましたね。たぶん、10年ちょいくらいしかたってない設定だと思うんだけど・・・。大学生だというイグク(二男)のおっさんブリも凄かった。でも、各役者はなんとなく前のキャラクタを上手く踏襲してます。ちょっとした仕草やセリフの癖みたいなのを揃えてあったりして、なかなか芸が細かい。
で、テサンはますます癇癪持ち状態に。能力があるのは分かるけど、こんな社長に振り回される周りは大変だ~。特に長男イルグク。ソソンの件は彼女の死亡で水に流したのかと思いきや、完全支配型の父親に怯えるようなそぶりもあり、気の毒やら、しっかりしろとおもいやら。

で、韓国では軍事クーデターが起こり、10大企業家が不正に蓄財したと連行され事情を聞かれる。テサンは証言してあっさり釈放。イルグクを作業員として研修させてる現場へ直行。政権が変わるなら、今までできなったり諦めた事業をやれるかも??って期待してる。
一方のグクは、日本にいたため、帰国するかどうかを悩みまくる形に。特に日本にいる友人たちは「帰れば逮捕だ」と止める。しかし、帰国を促されるし、自分の代わりに副社長は捕まってるしで、「韓国を愛している。言いたいことは言うが、資産を奉納するのはためらわない」と記者会見して帰国。
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ファウストのこと(魔王に関連して) [魔王(日本版)]

ファウスト〈第1部〉 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)ファウスト〈第一部〉 (岩波文庫)ゲーテとの対話 上   岩波文庫 赤 409-1

「魔王」(韓国版)は細部まで考えられた脚本で、分析に耐える強さを持っており、深く考察してみる価値のある作品だと思います。日本版を見たことで、オリジナルの脚本が、いかに巧妙にいかに繊細に作られたものかを、再確認しました。

私が虚構作品、特に「演技」の要素がある舞台や映像作品に求めるのは、いかに「矛盾を作るか」という事です。物語には、「良い飛躍」が大切です。演劇において、それは「矛盾」を「肉体を持った役者」が飛び越える瞬間にあるような気がするのです。そこに美しさというか、物語の奇跡があるように思います。
そして、「魔王」は、その「矛盾」こそが物語を生むということを、非常に強く意識された脚本のように思えます。日本版ではじめて「魔王」に接した方々のなかに、「サイコメトリー」という超能力を使っていることや、あまりにも偶然に事件が成功することに、大きな疑問を持ったかたが沢山いるようです。
たしかに、日本版ではこれらの問題の取り扱いが、粗雑な印象を受けます。原作では、これらのアイテムも非常に慎重に取り扱われ、「運命」というものを取り込むことに成功しています。これは、人生や、神について考えるときに、避けては通れない問題です。
引用された書籍についても、この物語をひも解くためのキーワードが沢山盛り込まれており、物語の飛躍を助けてます。今回は、「ファウスト」について、考えてみたいと思います。


さて、本題に入りましょう。日本版2話でも引用された、、18-19世紀ドイツの文人ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの「ファウスト」。読んだことがなくても、題名だけは知っている人も多いでしょう。私は、グノーのオペラ「ファウスト」の音楽から入り、翻訳を読んだのが始めてでした。一部はまだしも、二部は私のような人間には読みこなせません。解説付きでも???です。
翻訳は沢山出ています。初めて読んだのは、高橋義孝訳の新潮文庫版でした。「魔王」で引用されたので、読みなおそうと集英社文庫ヘリテージシリーズの池内紀訳を購入して読みました。やっぱり、2部が難解です。

2話で引用された「すべてのものが一つの全体を作りあげ、一が他と響きあい作用しあう」は、ゲーテ第一部の始めの節「夜」に出てくる文章です。池内訳では
すべてがかたまりあって一つにもなれば、一つが別の一つとかかわり合って動いている(悲劇 第一部夜) (集英社文庫ヘリテージシリーズ 池内紀訳)
と訳されています。
どんな場面で語られているかを説明します。
ファウストは、あらゆる学問をし、
この世をもっとも奥の奥で動かしているものは何か、それがしりたい(悲劇 第一部夜) (集英社文庫ヘリテージシリーズ 池内紀訳)
と熱望しています。
復活祭の前夜、錬金術における大宇宙(マクロコスモス)のしるしが書かれた書物に見入り、そこから自然の力を感じ取った時に発した言葉です。しかし、マクロコスモスの力は、ファウストには何の関係もないものに感じます。そこで地霊のしるしに見入り、親しみのもてそうな霊を呼び出しますが、そのパワーに圧倒されます。
その後、自分よりより無知なワグナーの訪問を受けます。その後、再び一人で地霊に思いをいたし、「どれほど知りたいと熱望しても、それは叶えられない夢なのだ」と痛感し、自殺を決意しますが、天上からの天使達の声により、思いとどまります。この段階のファウストは、まだメフィスト(悪魔)に出会ってはいません。「人知を超えたすべての物をみたい」これは、やはり大それた願いです。大きすぎて、その願いに飲み込まれてしまうそうなファウスト。
このすっかり疲れきったファウストについて、神とメフィストが賭けをします。神はメフィストを憎悪してはいません。ゲーテの世界観では、悪ですらも世界を構成し創造する要素の一つであるという認識があります。
人間は何をするにせよ、すぐに飽きて休みたがる。だからこそ仲間を付けてやろう。あれこれ手出しをして引きまわす悪魔が相棒だ(天上の序曲) (集英社文庫ヘリテージシリーズ 池内紀訳 )
と言って、メフィストの持ちかけた賭けに応じます。神は
良い人間は暗い衝動にかられても、正しい道をそれなりに行くものだと、ぼやきにこないかな(天上の序曲) (集英社文庫ヘリテージシリーズ 池内紀訳 )
と言って、悪魔という試練を与えながら、ファウストが悪魔に取り込まれてはしまわないと信頼しています。
このような経緯で、メフィストはファウストに近づき、契約を交わします。そして、ファウストはまず若返りの薬を飲んで、グレートフェンと恋をする一部が展開されます。


このグレートフェンは、無垢な少女です。「魔王」ではサイコメトラーがこのグレートフェンをイメージさせる役となっています。そして、この少女は、ファウストの「罪」となって行きます。
ファウストとの恋に夢中になり、眠り薬を母に飲ませてはミスで死亡させてしまい、兄はファウストとの決闘で死亡、更にファウストに去られて未婚で身ごもるという罪に耐えかね、嬰児殺しという大罪を犯してしまう。ここまで酷い状況になって、やっと彼女を牢獄から救おうとするファウストですが、彼女はひたすらに贖罪と救いを求め祈ることに専心します。そして、断罪の瞬間に、神はグレートフェンに許しを与えます。
彼女にはモデルがいます。一人はゲーテの恋人フリデリーケ・ブリオンです。結婚間際まで行きましたが、ゲーテが突如逃げ出してしまいました。もう一人は、当時、嬰児殺しで処刑されたスザンナ・マルガレーテ・ブラント。行きづりの男に酒を飲まされて妊娠し、嬰児殺しへいたりました。自分がフレデリーケになしたことは、彼女を嬰児殺しにする可能性のあることであった・・・。この悔恨が、グレートフェンという女性を作り上げています。
さて、ファウストはこのグレートフェンの顛末に深く傷つきますが、アーリエルが癒しを施します。それは「忘却」です。グレートフェンのことについて、ファウストは大きく傷つきははしましたが、その代償を払うでもなく、2部の世界に入って行きます。2部は、ホントに説明など出来ない作品です。ファウストは空間も時間も自由に数々の経験をしていきます。やがて、人生の終焉の時が近づいたファウストは、思わず悪魔との契約の言葉を口にしてしまい、悪魔に取り込まれるかに思えます。しかし、その時「かつてグレートフェンだった女性」の願いにより、ファウストは救済され、天上へと登って行きます。


このあらすじを見れば、物語構造上、刑事=オス=芹沢はファウストであり、弁護士=スンハ=成瀬はメフィストであるとするのは容易だと思います。ファウストは罪深く、そしてそれを忘却し、メフィストによって鼻面を掴んでかき回されて、多くの経験をし、多くを悟る。グレートフェンの兄と争って”誤って”相手を殺してしまう点など、類似点も多く見られます。捜査という謎解きで「この世に何が起こっているか?」と問い続ける姿は、ファウストの根源的な欲求と合致していると言えるかもしれません。このドラマの「ミステリー」の要素は、「問い続ける姿」を表現するのに適していたと思います。
ファウストに「反省」や「謝罪」の具体的な言葉はありません。ファウストは「思考」や「言葉」だけでなく、「体験」「行動」を通して、「世界とは何か?」と知ろうとするのです。そして、人生の終焉のとき、彼はグレートフェンに救われます。「世界の真理を追及しとうと、ひたすらに行動しつくした」姿が、神への祈りのようなものだったからではないか?と、私個人は理解しています。

弁護士=スンハ=成瀬はメフィストの役目をなします。しかし、弁護士はファウストにも似ているように見えるのです。それは弁護士の復讐計画の多くが、「神への質問状」のように見えるからです。そこに偶然の要素を加えて置くのも、「偶然」を「神の意志の表れ、神からの返答」と認識しているからだと思います。「どうして、この世をこのようにお創りになった?」という切実な問いが、弁護士にはあります。弁護士と刑事の大きな違いは、二つあります。まず、刑事=オス=芹沢=ファウストが自ら体験するのと違い、、弁護士=スンハ=成瀬=メフィストは傍観者です。もう一つは、「どのようになっているのか?」という事実をしりたいファウストに対して、弁護士は「どうしてなのだ?」と理由を問うている点です。

この問いに、神は答えません。しかし、刑事=オス=芹沢の「生きたい。生きていて欲しい。」という願いは弁護士を変えていきます。人の命は有限で、死だけは万人に平等です。その厳然たる現実を目の前にしても、人は「生きたい」と願う。その醜く、美しい姿を前に、人は問いを失う。問いを失った瞬間、神は許しを与える。
ファウストとの関連を、私はこのように読みました。

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